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はじめに
コミュニケーションスキルコーチでありながら、第一線のAV監督・溜池ゴローという異色のキャリアを歩んできた、高井ノリマサ。T.school運営メンバーと対談しました。 男女、仕事、人生についてのありとあらゆる質問とハウツー、思考や思い、本音のすべてを深堀していきます!
高井ノリマサ(溜池ゴロー監督)プロフィール
この20年で2000人超の女性と面接。その面接をフィールドワークとして、心理学の論理性で裏付けをしつつ、「モテ体質」理論というオリジナルメソッドを開発。自身が主宰を務めるスクールで指導をする他、全国での講演等で理論を伝えている。
自分では気付かない「行動の不潔」で不潔な男の烙印が…。
──「物理的な不潔」と「見た目の不潔」以外に、高井さんはよく「行動の不潔」についても言及していますよね。
「行動の不潔」ありますあります。3つの不潔のうちの、3つめ「行動の不潔」ですね。
──行動の不潔。よくドラマとかで、「不潔!」って女の人が言い放つようなシーンってあるじゃないですか。あれは男性の行動が女性には不潔に見えているわけですよね。
自分以外の女に手を出したとかはもちろんですが、多くの女性は風俗店に行く男は最低だと思ってて、風俗店に行ったなんて言ったら、「不潔!」と感じますよね。すごい偏見なんですけどね。風俗店の女性=不潔、ではありませんから。
別に風俗で働いてる方じゃなくたって、ひょっとしたら病気持ってる方もいらっしゃると思うしね。多くの女性は、男性がそういうところに行くと、病気をうつされてるんじゃないかみたいな感覚を持つんでしょうね。
──そういう連想なんですかね。
じゃないですか。要するに不潔っていうのは、菌がうつってるっていう感覚なんじゃないですか。だから、「不潔!」とか言うんじゃないですかね。
──心の汚さっていうのはどうなんですかね。
心の汚さもあるでしょうね!心の汚さについてはあとで言及します。
まず、基本的な「行動の不潔」を説明すると、例えば、ワキの下をボリボリかきながらしゃべってたら、不潔に見えるじゃないですか。別に臭いもせずに物理的にはきれいだし、見た目もちゃんときっちりやってても、不潔に見える。鼻なんかほじったら、これはもちろん物理的にもあるんでしょうけど不潔感がしますよね。
そういうふうに物理的には不潔ではなくても、行動によって不潔感を感じさせる。これが「行動の不潔」です。
──耳に指突っ込むっていうのはどうなんですか。
耳に指突っ込むのも人によっては不潔でしょうね。頭をボリボリかくとか。「かく」っていう行為はけっこう不潔に映るよね。
あと僕がセミナーなんかで良く言ってるのは、食事中の行動ですね。これは「行動の不潔」につながることが多い。その代表は「くちゃくちゃ音をたてる」。物理的な実害があるわけじゃないのに、耳から聞こえると不潔感をすごく感じる。その行動によって不潔感を感じるわけです。
ものを雑にあつかう男は、女性を雑にあつかう?
「箸の置き方の雑な男は嫌いなんです」と、ある女優さんが前に言ってたんです。
「それはなんで?」って聞いたら、彼女によると食事のあと箸の置き方が雑な男はセックスのあと女性を雑に扱うんだって言うんです。彼女の統計なんでしょう。ほんとにみんながみんなそうではないかもしれないけど。
ただ、
- 目の前で物を扱うときに雑な扱いをされたら、自分も雑に扱われるのでは?
- 手を洗わずに食べ始めたら、私のこと手を洗わずにセックスするのかな?
っていうふうに関連付けることもできると思います。
だから「雑にあつかう」っていう行動が、女性にとって不潔感を感じさせるのには、一定の論理性が成り立ちますよね。精神が行動に出ているのだと。行動っていうのは頭のなかで考えたことが起こっていると理解できるわけですから。
「心の不潔」の話に戻りますが、さっき福永さんが言った「この不潔!」っていう女性の言動について言えば、例えば、彼女にとっては「風俗に行く」というのが不潔に感じるのは、そういう行動をするあなたの精神が不潔なんだ、心が不潔なんだっていうのもあるかもしれませんよね。
ただ、風俗に関しては女性側の偏見ですけどね、はっきり言って。ただの価値観です。
──よっぽど明らかに変なクセがあるなら、直したほうがいいですけどね。定食屋さんに行って食べ終わった箸を最初入ってた袋に戻すのか、戻さないのかみたいな微妙なラインのマナーはどう思いますか?
あれ分かんないですよね。ぼくはそのまま置いとけばいいと思うんですけどね。
──ですよね。別にそこまでは。
しなくてもいいと思うんですけどね(笑)。
とは言っても、食事中は気をつけないといけないことが多いんですよね。こぼしたり、音たてたりはもちろんですけど、食べてるときにいろんなところいじるのとかも絶対ダメだし。
──マナー意識は、育った家庭環境によって違いますよね。食事シーンってほんとに家庭の延長線上じゃないですか。例えば、「いただきます」や「ごちそうさま」を習慣的にやる家もあれば、何も言わずに、出てきた物から三々五々食べる家もある。食べ終わったら勝手に席を立ってテレビ見に行っちゃうのがOKな家。テレビを見ながら食事をする家や、お父さんが「食事中はテレビ消せ」って怒ったりする家があったり。そこらへんは千差万別ですよね。だから自分にとっては普通の食事風景が、ほかの人にとってどう映るのかって、イマイチ分かんなかったりする部分もあるんですよ。
生活のクセとか慣れですよね。食の文化なんかはたしかに顕著です。そこの価値観は子どものころから刷り込まれて出来てるわけですから。
これは極端な例ですけど、昔「ブッシュマン」が流行ったときにテレビで観た話です。ブッシュマンは燃やした灰をこうやってフライパン代わりにして、ダチョウの卵を卵焼きにして、灰だらけの卵をみんなで手でつかんで食べてたんですよ。ムツゴロウさんが「ああ、おいしそうだなあ」とかって食べてる。
「どこがやねん」とかツッコミ入れながらテレビ見てたんですよ。こんな灰だらけの、食えないよと。でも彼らはおいしそうに食べるわけですよね。
僕らから見たら不潔な行動なわけですよ、行動として。落ちてるものを食べる、灰にまみれたようなものを食べるなんていうのは。だけど、彼らから見て、僕らがやってることが全部清潔かっていうと、これはまた分かんないですよね。
不潔を感じるものがあるかもしれない。「行動の不潔」は結局価値観が占める割合が多いんです。「見た目の不潔」も一部は価値観なんですが。その人の価値観によって度合いが変わりますよね。「脇をボリボリかいたら気持ち悪い」みたいに共通してる部分も多々あるんですけどね。
──だから、スタンダードなところは押さえないとダメなんだっていうことですよね。
そうですね。清潔感の基準って育った環境で大いに変わるじゃないですか。何かの行動で、これがどうしても許せないっていう人もいるでしょう。「あなたの行動のこれが許せない」って。
そのせいで、彼氏と別れてしまった例もある。本当に大好きだったんだけど、一緒に暮らしだしたら、浴室から「カー、ペッ」って聞こえてくるのが、どうしても許せなかったんだって。彼氏は清潔になるためにやってるんだけど、その行為に不潔感をすごく感じてしまって、人格さえも否定してしまったっていう話ね。
でも、同じ行動が全然平気な人もいるわけですよ。
──「やめて」って言って、やめてくれたらもうご破算になるんですかね。
そうかもしれないです。ただ分からない、1回焼きつくと。これは2人の関係性でしょうけど。それをいったら単純なのは、道端に唾吐くとかね。カー、ペッっていまだにやってるやついるでしょ。あれはぼくもちょっと。それがすぐ近くであったらちょっと離れますもん、なんか気持ち悪くて。
──まあそうですよね。
「カー」っていうのは、あれはちょっとつらいですよ。ああいう行動の不潔って、クセなんだよねー。ちょこちょこ頭かいてたり。やっぱりAVの女優さんでも、男優さんで頭を触るクセとか、ちょこちょこ触るクセがある人って、その日に「絡みたくない」ってなるときありましたもん。「ああ、そっか」と。
──そういうのは自分じゃなかなか気付かないから、お互いに言ってあげたほうがいいですよね。
言ってあげたほうがいいです。
──教え合うっていうか。
言ってあげたほうが絶対いいですね。