「いい笑顔!いいリアクション!隙あらば褒めて!」
とは言っても、明らかに嘘くさかったり白々しい褒め言葉は逆効果に働くことも、、、
褒め言葉ひとつ取ってもセンスが要求されます。
相手のツボを抑えた「うまい褒め方」のコツと、女性の価値観を掴んで「惚れられる」極意とは?
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はじめに
コミュニケーションスキルコーチでありながら、第一線のAV監督・溜池ゴローという異色のキャリアを歩んできた、高井ノリマサ。T.school運営メンバーと対談しました。 男女、仕事、人生についてのありとあらゆる質問とハウツー、思考や思い、本音のすべてを深堀していきます!
高井ノリマサ(溜池ゴロー監督)プロフィール
この20年で2000人超の女性と面接。その面接をフィールドワークとして、心理学の論理性で裏付けをしつつ、「モテ体質」理論というオリジナルメソッドを開発。自身が主宰を務めるスクールで指導をする他、全国での講演等で理論を伝えている。
月並みな褒め方ではなく、気持ちを載せて
―女性との好意的な接し方って点で、以前「相手の話にいいリアクションを返して、隙があれば褒めろ」って話があったと思うんですけど、女性の「褒め方」についてお伺いします。
褒めるって3段階あるんですよね。
1段階、例えば長身のすごいきれいなモデルさんがいるとします。「背が高くておきれいですね」。これは「この人は背が高いです」「顔面がきれいです」っていうのは、ある意味評価しているだけなんですよ。もしその人が小さいころ、「大女」とか言われて背が高いことにコンプレックスがあったとして、言われたら「またこいつもか」ってなるわけで、マイナスになる可能性もあるわけですよね。
次に「背が高くておきれいですね」「とっても素敵ですね」。形容詞をつけるわけですね。
形容詞って簡単でいいですよね。数そんなに多くないし。でも、数多くないっていうことはみんな褒められ慣れてるわけですよ。だからオキシトシンもそこまで出ない、出づらいかもしれない。
だから、僕はハートを乗っけようっていうの。「僕はそこが好きです」「あなたのここが好きです」という意思表示をしたほうがいい。例えば「背が高くておきれいですね。僕はあなたみたいな長身美人大好きなんです」とか。「あなたみたいな長身美人の彼氏になるにはどうすればいいですか」ぐらいのね。
―そこまで言っちゃうんですね。
初対面でそれ言ったら、「こいつ、誰にでも言ってんだろう」って思われると思うんですけどいいんです。それぐらいのほうが「私がコンプレックスだと思ってる部分でもこの人は好きでいてくれるんだな」ということが分かりますから。
褒めるんだったら自分が好きだっていう意思表示をしないと、ただの評価だよね。人によって価値観があるじゃないですか。その価値観とずれた褒め方をしたら、嫌われますから。その人にとっては「不自然」になるわけですよ。
例えばね、僕なんかアダルトビデオの監督をずっとやって、いっぱい女性と話しますけど、その面接の中で何をまず知ろうと思って話してるかっていうと、その人が人生の中で最も大切なことはなんなのかというのを知るためなんですよ。価値観。
すごい分かりやすい例で言うと、AVに出てる女性でも「将来お店を持ちたい」とか、「将来会社経営をしたい」。だからいま軍資金を貯めたいからAV出てるっていう人もいるわけです。おカネなんですよ。
逆に「私は人気者になりたい」と、「AV業界で人気者になりたい」って人もいる。ファンを大事にしてるんですよ。一番大切なことは自分の人気なんです。
この二つの価値観違う人に撮影の仕方まったく同じことをやったら、どうなるかっていうとね、例えばお金が大切な人に対しては、やっぱりなるべく段取りを早く早く早くして、それで休憩時間も短くして、「さあどんどんやるよ」って気持ちよく終わらせて褒めて、花束渡して、彼女にとったら早く終わるから時給も上がるし、褒められて、うれしくて帰る。充実します。
「お金もらって人を喜ばせるなんて、こんないい仕事ないわ」って思って、「またこの監督お願いします」って指名されるわけですよ。
―花束を渡してるんですか。
渡してますよ。たぶん世の中で一番女性に花束渡した男は俺だと思いますよ。
じゃあ例えば「有名になりたい」って価値観の子の撮影のときに同じ撮影やったら、これすごい嫌がられます。「別に早くじゃなくて、私が今どう撮られてるか、どう見られてるかっていうのをちゃんと知りたい」ってなる。そういう人には、僕がOK出しても、本人が納得しなければもう一回撮ったりする。
―じゃあ撮ったやつを一緒に見たりとかするわけですか。
自分がファンにどう見られるか、すごい大切なんだろうね。
とことん自分が納得できるまでやり直しもやったりして。スタジオ代もちょっとオーバーしそうになったり。それでもちゃんと彼女が納得いくまで撮るわけですよ。彼女はそれで充実感を持つわけですよ。「いい作品がまたできた」って。「この監督分かってくれるわ」っていうことですよね。女優さんが監督を指名するのって一般の世界ではよくありますよね。「あの監督、私のこと分かってくれる」って。そしたら僕も指名される。
逆に「お金を貯めたいから出てる」っていう人に対してこれをやると、余計なおせっかいもいいところなんですよ。「私女優じゃないし」とか言われちゃったりする。
相手の価値観が読むのは「惚れられる」の第一歩
極端な例だけどね。
ふだん自分が女性に対して同じことみんなやってるんですよ。「女性はこうやったら喜ぶなあ」って、プレゼントにしても、食べにいくものにしても。
でもその人の価値観によってはベターではないこともある。
意外と経験値あるのにその部分を外す人って、その人が何を一番大切にしてるかっていうのをつかんでないんですよね。
―監督は相手の女優さんの価値観を面接のときにつかむんですか。
分かります。その人の人生の話聞きますからね。いろんな人いますよ。なんのためにAVに出てるか。どういうものが好きで、どういうものが嫌いか。
人と話すってなんのために話すかって言ったら、「その人の大切なものを見つけるため」。意外とみんなボーッと話してるんですよね。
―そうですよね。あんまり考えないですからね、そのへん。
例えば同じ職場の女性とポンと会ったりしても、「きのう日本、ワールドカップ出場決まったね、良かったね」とか、どうでもいい話じゃないですか。もっと本当は普通の会話の中からでもその人の大事な価値観、つかもうとしてもいいと思うんですけどね。
―そうですよね。自分のことは分かってほしいくせに、人のことはなんかあんまり分かろうとしないですよね。
そうなんですよ。「まず相手のことを分かろうよ」ということで。そういうことをやってると、例えば基本的に嫌われないで、「好かれる」「モテる」っていう「モテ」の5大要素が何個か、けっこう多めに身に付いて、「モテる」段階までいったとして。でも「惚れられる」段階っていったら、その人の大切なものを一緒に共有できるかどうか、だと思います。「この人は私のこと分かってる」「この人と一緒にいると安心」「この人といるとなんか私わくわくする」。そういう「この人といると」って、条件付きになるわけですよ。
―なるほど。「惚れられる」、「オンリーワンになる」ためには、偶然的な要素も必要だってことでしたけど、その価値観をつかむっていうのもひとつのポイントですね。
そうですね。自分の経験値を広げるしかないですね。女性は男性の才能とか経験値に惚れる人が多いです。惚れ合ってるカップル、男性の方を観察してみるとやっぱり才能とか経験値が高い場合が多いですよね。
―偶然に左右されない要素が男性の能力ですね。
ただしですよ。その能力っていってもいろいろある。自分の持ってる才能に女性が惚れてくれるかどうかは分からないです。そこが偶然性なんです。その人の大切な価値観を知るのが重要なのは、知っておけば「自分はこの方向に行けてるな」って、ある程度分かるから。
―なるほど。確率がちょっとアップしますよね。
そうなんです。女性でも親にどなられ、怒られ育った女性と、すごくお父さんが優しく優しくしてくれて育った女性って、やっぱり男性に求めるものって違いますよね。そういうところでも価値観は知ったほうがいいのかなと。
それが「惚れられる」につながるかなと。女性のオキシトシンポイント(親和欲求ホルモン)を稼ぐ、価値観を知る、なんでもいい自分の才能、経験値を付ける、この三つでしょう。